ワトコオイルは初心者にも扱いやすい塗料と言われていますが、手順をしっかり守らないと失敗してしまいます。
この記事では、ワトコオイルの失敗例と、上手に仕上げるための手順について紹介します。
ワトコオイルは上手に使えば木材の魅力を最大限に引き出すことができるので、是非参考にしてくださいね。
失敗例①:素材によって色の出方が違う
ワトコオイルは同じ色の塗料を使っても、素材によって色の出方が違います。
上記の2つの画像はワトコオイル公式サイトのパイン材(SPF材)とオーク材の色見本です。
同じ塗料でも、全体的にSPF材よりオーク材の方が濃い色になっていることがわかるかと思います。
このように、同じ塗料でも素材によって色の出方が違うのがワトコオイルの特徴です。
色の出方の失敗例
パイン材にダークウォルナットとミディアムの2つを塗ったが、思った色と違った人の例です。
パイン材の色見本を見ると、ダークウォルナットとミディアムの色の出方はよく似ており、パイン材では色の差がでないことがわかります。
この方はおそらくパイン材とは別素材の使用例を参考にしたのでしょう。
ネットの画像を参考にする時は、撮影時の周囲の光の加減や画像編集により実物のイメージとは異なることを覚えておいてください。
回避方法
色の出方の失敗を回避するには、塗りたい木材の端材などに試し塗りをしてみましょう。
いきなり対象の木材に塗ってイメージと違う色だと、やり直すのは困難です。
端材でしっかり色を確認し、イメージと違う場合は他の色のオイルで試したり、2つのオイルを合わせたりして工夫してみるといいでしょう。
失敗例②:木材の下処理不足によりオイルが浸透しない
木材にニスなどの保護塗料が塗ってある場合、その上からオイルを塗っても上手く浸透しません。
ウエスなどでいくら拭き取ってもオイルが残ってしまい、肌や衣服に色移りしてしまう危険があります。
下処理不足の失敗例
右と左、元は一枚の板なのに
引用元:Amebaブログ koharu*biyori at home
塗料ののり方が全然違うんです。
オイルがうまく染み込んでいないのが分かりますか?
実はこれ
私がナチュラルカラーに憧れていた時に
キッチンで使っていたもので
木材の保護塗料を塗っているんです。
(中略)
左右で塗料ののり方が違う理由として考えられるのは
表面として使っていた側は保護塗料をしっかり塗っていて
裏面は適当に塗っていた
ということかと。
保護塗料が塗られていたため、ワトコオイルがうまく染み込まなかった人の例です。
ワトコオイルは、木材に浸透することで色味や風合いが表れるため、保護塗料があるとそもそも浸透せず、効果を発揮することが出来ません。
回避方法
保護塗料が塗ってある場合は、保護塗料を木材から剥がす必要があります。
紙やすりやサンダー等を使ってヤスリがけを行い、丁寧に削って保護塗料を落としましょう。
ホームセンターに売っている集成材(木片を組み合わせて固めた板材)は、はじめから保護塗料が塗ってある場合が多いです。
ヤスリがけが大変な場合は、いっそ木材を買い直すのもひとつの選択肢でしょう。
失敗例③:塗り方を間違えるとムラやまだら模様ができる
ワトコオイルは、適当に塗るとムラやまだら模様ができ、見栄えが悪くなる可能性が高くなります。
複数の板を塗る場合などは特に、ムラが多すぎると全体の統一感が薄れてしまうので注意しましょう。
塗り方の失敗例
ワトコオイルは素材に吸収させて風合いを引き出すため、素材の状態をある程度均一にしないとムラが出来てしまいます。
ツイートの画像のように、木目が違いすぎたり傷がついていると統一感が無いようにみえることも。
回避方法
ムラやまだら模様がでないようにするには、オイルを均一に浸透させることが大事です。
- 木材を研磨した後の表面の塵や埃をしっかりとる
- 刷毛をはたいてゴミやホコリを落とす
- ワトコオイルを全体に均一に塗る
- 乾燥時間をしっかりとる
上記の注意点を守り、丁寧にワトコオイルを塗りましょう。
上手に仕上げるための手順
ワトコオイルを失敗せず仕上げるには、下記の手順を守り作業しましょう。
- 表面のホコリや汚れを取り除く
- サンドペーパーで研磨する
- 全体に塗布(1回目)。30分ほど乾燥させる。
- ウエスで乾拭きし、1時間乾燥させる。
- 1回目の1/4の量を全体に塗布(2回目)。
- 塗れた状態で研磨する(ウェット研磨)。
- ウエスでしっかり乾拭き。1時間後にもう一度拭く。
- 24時間乾燥させる。
失敗しないためのコツは、1工程ずつ丁寧に行うことです。
特に乾燥時間については、湿気の多い時期と乾燥している時期で最適な時間が違います。
乾燥している時期のほうが早く浸透するので、時間を短めに取るよう心がけて下さい。
まとめ
ワトコオイルの色の出方、下処理不足、塗り方の失敗例と、上手に仕上げるための手順について紹介しました。
ワトコオイルは手順をしっかり守れば誰でもキレイに仕上がる、初心者にやさしい塗料です。
塗る時はまず端材に塗って色味や色の出方を確認し、それから対象の木材に塗るようにしましょう。